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tf-2md3-devel@t-frog.com

Re: PWM方式について

Date:
Sat, 11 Oct 2014 10:43:58 +0900
From:
Atsushi Watanabe <
atsushi dot w at ieee dot org
>
To:
tf-2md3-devel <
tf-2md3-devel at t-frog dot com
>
Subject:
[00041] Re: PWM方式について
菅野様

渡辺です。

> 送っていただいたファイルのp.7におけるpwmの値を直接
> 与えたいと考えていました.

申し訳ありませんが、現状ではPWMや電圧を指定するコマンドを用意していません。
研究用途では確かに需要はあると思いますので、
時間がとれたときに、ドライバのファームウェアとYP-Spurに追加しようと思います。


> 符号の異なる同じ値のトルクを与えて移動車を直進
> させたいのですが, 左右のタイヤに発生するトルクが
> 大きく違うようで直進しません.

一定トルクで駆動する場合、定常状態の回転数は、
速度に対して増加する摩擦成分と、与えたトルクの釣り合いで決まりますので、
微妙な摩擦の違いで速度が変わります。
そのため、何らかのフィードバック無しで直進させるのは、困難です。

あまり大きく(数十%オーダーで)トルクが異なる場合は、
モータ、ギア、それらの組み付け、ドライバの問題を疑った方がよいです。


> まず, p.7の"モータの起電力に逆らって電圧を印加"という箇所の
> 式にコイルのインダクタンスによる電流の時間微分項が
> 入っていないのはなぜですか?

モータの制御周期 1ms、ロボットの走行軌跡制御周期 20ms に対して
インダクタによる遅れの時定数が短い、または同程度なため、無視しています。

具体的には、maxonのコアレスモータですと、L/Rの時定数が10usから100us程度、
T-frogプロジェクトで提供しているコアードブラシレスモータで 3ms弱です。


> 2点目は, マイナスのトルク値を与え, プラス入力の時とは
> タイヤが逆方向に回転している場合, 先ほどの式における
> ω(角速度)の値はエンコーダからマイナスの値として
> 返ってくるのでしょうか?

はい。
各車輪の制御においては、トルクの方向と、角速度の方向は一致しているはずです。


> 最後に, 回転による粘性摩擦の影響は多少あるとは思いますが,
> 発生する粘性摩擦は回転方向によって大きく異なる
> のでしょうか?

摩擦パラメータは回転方向によって微妙に異なります。
また、ギアの組み付けが悪い場合、特に大きな差が発生します。


以上、よろしくお願いいたします。

// Atsushi WATANABE
// Ph.D. Researcher
// Advanced Telecommunications Research Institute International (ATR)
// Intelligent Robotics and Communication Laboratories
// E-mail:
atsushi dot w at ieee dot org
/
atsushi dot w at atr dot jp



2014年10月10日 10:17 YUUKI SUGANO <
rr0024rh at ed dot ritsumei dot ac dot jp
>:
> 渡辺様
>
> 菅野です
> ご回答ありがとうございます.
>
> 送っていただいたファイルのp.7におけるpwmの値を直接
> 与えたいと考えていました.
> 符号の異なる同じ値のトルクを与えて移動車を直進
> させたいのですが, 左右のタイヤに発生するトルクが
> 大きく違うようで直進しません.
>
> ここで, いくつか質問があります.
> まず, p.7の"モータの起電力に逆らって電圧を印加"という箇所の
> 式にコイルのインダクタンスによる電流の時間微分項が
> 入っていないのはなぜですか?
>
> 2点目は, マイナスのトルク値を与え, プラス入力の時とは
> タイヤが逆方向に回転している場合, 先ほどの式における
> ω(角速度)の値はエンコーダからマイナスの値として
> 返ってくるのでしょうか?
>
> 最後に, 回転による粘性摩擦の影響は多少あるとは思いますが,
> 発生する粘性摩擦は回転方向によって大きく異なる
> のでしょうか?
>
> お手数おかけしますが,ご回答のほどよろしくお願い致します.
>
> -----Original message-----
> From:Atsushi Watanabe <
atsushi dot w at ieee dot org
>
> To:tf-2md3-devel <
tf-2md3-devel at t-frog dot com
>
> Date:Wed, 08 Oct 2014 08:37:44
> Subject:[tf-2md3-devel:00039] Re: PWM方式について
>
> 菅野様
>
> 渡辺です。
> トルク制御時のPWMについて回答いたします。
>
> トルク指令を与えた際に、最終的に出力するPWMデューティー比の計算の
> パラメータを調整したいと言うご質問でよろしいでしょうか。
> もしくは、デューティー比の指令を直接与えたいということですか。
>
> 前者の場合、この制御系では、与えられたトルク指令に対して、
> モータの物理パラメータを用いたフィードフォワード電流制御をかけます。
> 具体的な計算については、下記ファイルの pp. 6-7 および p.14 をご覧ください。
> https://openspur.org/redmine/attachments/download/3/Vehicle_and_Motion_Control.pdf
> したがって、デューティー比は、以下のパラメータを使って計算されます。
> ・MOTOR_R (モータ内部抵抗)
> ・MOTOR_VC (モータ回転数係数)
> ・MOTOR_TC (モータトルク係数)
> ・TORQUE_NEWTON (摩擦補償 定数項)
> ・TORQUE_VISCOS (摩擦補償 比例項)
>
>
> 後者の、デューティー比の指令を直接与えたい場合、
> そのためのコマンドは、現状は用意していません。
> これが必要でしたら、モータドライバのファームウェアと
> YP-Spurのコードに手を加えて、電圧制御のコマンドを追加していただくのが
> 早いと思いますので、ご相談ください。
>
>
> よろしくお願いいたします。
>
> // Atsushi WATANABE
> // Ph.D. Researcher
> // Advanced Telecommunications Research Institute International (ATR)
> // Intelligent Robotics and Communication Laboratories
> // E-mail:
atsushi dot w at ieee dot org
/
atsushi dot w at atr dot jp

>
>
> 2014年10月6日 13:55 YUUKI SUGANO <
rr0024rh at ed dot ritsumei dot ac dot jp
>:
>> 渡辺様
>>
>> お世話になっております.
>> 立命館大学川村研究室
>> 菅野です.
>>
>> 直接トルク入力する場合のPWM制御について
>> 質問があります.
>>
>> 直接トルク値を YP_wheel_torque コマンドで入力した場合,
>> そのトルク値を実現するための電圧をPWM方式によって
>> モータに印加していると思うのですが, この時の
>> PWM方式におけるデューティ比を変えることは可能でしょうか?
>>
>> お手数おかけしますが,ご回答のほどよろしくお願い致します.
>>
>>
>> ---------------------------------------
>> 立命館大学
>> 理工学部 ロボティクス学科 4回生
>> 運動知能研究室 ポテンシャル班
>>
>> 菅野勇希
>>
>> 学籍番号: 2250110042-4
>> E-mail:
rr0024rh at ed dot ritsumei dot ac dot jp

>>
>> ---------------------------------------
>>
>
>
> ---------------------------------------
> 立命館大学
> 理工学部 ロボティクス学科 4回生
> 運動知能研究室 ポテンシャル班
>
> 菅野勇希
>
> 学籍番号: 2250110042-4
> E-mail:
rr0024rh at ed dot ritsumei dot ac dot jp

>
> ---------------------------------------
>

References