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tf-2md3-devel@t-frog.com

Re: 「ブラシレスギアードモータ」駆動方法について

Date:
Tue, 04 Nov 2014 20:04:02 +0900
From:
Atsushi Watanabe <
atsushi dot w at ieee dot org
>
To:
tf-2md3-devel <
tf-2md3-devel at t-frog dot com
>
Subject:
[00060] Re: 「ブラシレスギアードモータ」駆動方法について
進藤様

渡辺です。

モータのエンコーダパルス数についての情報、ありがとうございます。
大変申し訳ないのですが、ご利用のモータはエンコーダの分解能が低いため
現在のTF-2MD3-R6ファームウェアでは制御が難しいようです。

T-frogのモータドライバは、ロボットの位置を高精度かつなめらかに、
ミリ秒オーダーの応答速度で制御できるように設計しているため、
1ミリ秒周期で、エンコーダの信号から速度を計算して駆動・制御を行います。

そのため、主なターゲットのモータとしては、
例えば、最大3000rpmのモータに500パルス程度のエンコーダ
(100rpmであれば、1万パルス以上)が付いていることを想定しています。


100rpmで、150パルスのエンコーダですと、
制御周期(1ミリ秒)中のエンコーダカウント数が
最大でも1パルスしか無いため、速度をほとんど検出できず、制御が困難です。
(NJM2626は、ホール素子のみで矩形波駆動するため、駆動できます。)

エンコーダ分解能の低いモータ用に、ファームウェアを大幅に変更すれば
制御可能になりますが、私の所属がドライバ設計時とは変わっており、
あまり時間がとれないため、すぐに対応することができません。
もし、ファームウェアの変更をご自身で行う場合には、
ソースコードは既に下記のリポジトリで公開していますので、
改変してご利用頂けます。
http://t-frog.com/repos/?p=motor-controller.git


大変申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

// Atsushi WATANABE
// E-mail:
atsushi dot w at ieee dot org


2014年11月4日 17:16 "進藤@三矢" <
shindo at mitsuya-lab dot co dot jp
>:
> 渡辺 様
>
> 進藤です。
>
> 下記について実施してみましたので、報告します。
>
>> 1. カタログ値から事前に与えるパラメータの設定
> →以下の設定としました。
> ・エンコーダパルス数は150Countsで減速比(15)のため
> 150*(1/15)=10としその4逓倍で40としました
> ・OTOR_VCは105*15/22.2=70.94594595
> ・MOTOR_TCは60/(2π*70.94594595)=0.134667879
>
> ** xxxx.param *****************************************************
> VERSION 4.00000000
> COUNT_REV 40.00000000 #[Counts/rev]
> VOLT 22.20000000 #[V]
> CYCLE 0.00200000 #[s]
> GEAR 15.00000000 #[in/out]
> MOTOR_R 14.80000000 #[ohm]
> MOTOR_TC 0.134667879 #[Nm/A]
> MOTOR_VC 70.94594595 #[rpm/V]
> MOTOR_PHASE 3.00000000 #blashi less
> RADIUS[0] 0.06250000 #[m]
> RADIUS[1] 0.06250000 #[m]
> TREAD 0.38 #[m]
> CONTROL_CYCLE 0.02000000 #[s]
> MAX_VEL 10.1 #[m/s]
> MAX_W 0.57 #[rad/s]
> MAX_ACC_V 1.20000000 #
> MAX_ACC_W 3.14000000 #
> MAX_CENTRI_ACC 9.80000000 #[G]
> L_C1 0.01000000 #
> L_K1 0.00000000 #
> L_K2 0.00000000 #
> L_K3 0.00000000 #
> L_DIST 0.40000000 #
>
> GAIN_KP 0.0 # *PI control parameter Kp
> GAIN_KI 0.0 # *PI control parameter Ki
> TORQUE_MAX 0.0 # * [Nm]
> TORQUE_LIMIT 6.0 #[Nm]
> TORQUE_NEWTON 0.0 # * [Nm]
> TORQUE_VISCOS 0.00001 # * [Nm/(count/1ms)]
> INTEGRAL_MAX 0.0 # * [rev]
>
> TORQUE_OFFSET 0.00000000 #[Nm]
> MASS 0.0250000 #[kg](robot+PC)
> TORQUE_FINENESS 0.000005
> MOMENT_INERTIA 0.05476133
> MOTOR_M_INERTIA 0
> TIRE_M_INERTIA 0.04321800
> *******************************************************************
>>
>> 2. 摩擦補償パラメータの調整
>> 2.1 ypspur-coordinator を立ち上げた状態で、ypspur-free コマンドを実行
> →プログラムでSpur_free();関数を実行(フリーモード)させました。
>
>> (摩擦補償のみを行うモードに入ります。)
>> 2.2 TORQUE_NEWTON(クーロン摩擦力項)を少しずつ大きくしながらタイヤを手で回転させて、軽く回転するように調整
> →値を0.1~900とかにしてみても軽く回転するようにならない
>
>> 2.3 同様にTORQUE_VISCOS(粘性摩擦項)を少しずつ大きくして調整
> →値を0.1~900とかにしてみても軽く回転するようにならない
>>
>> ※バックドライブが全くできず、手でタイヤを回そうとしたときに、エンコーダのパルスが1つも発生しないモータではこの方法は困難です。
>> その場合には新しい方法を考える必要があります。
> →重いがバックドライブ(手回し)するとパルスは出ている。
>>
>> 3. PI制御ゲインの調整
>> 3.1 ypspur-coordinator を立ち上げてサーボがかかっている状態にする
> →「サーボがかかっている状態」手回しして重く回る状態で良いでしょうか?
>> 3.2 作成したプログラム等で、適当な走行指令を出す
>> 3.3 GAIN_KIを0にし、GAIN_KPを発振しない範囲で大きくする
> →上記、パラメータでは回らなかった。TORQUE_MAXに0.1をいれたら回った
> 「発振」といわれる音がまったくしないので0.1から1200ぐらいまで
> 数値を大きくしたが目標の回転スピードにはならない(回転速度上がらず)
> 50として起動し、Spur_set_vel()で0.01から数値を上げて
> ドライブすると加速はできている
>> 3.4 GAIN_KIを発振しない範囲で大きくする
> →「発振」といわれる音がまったくしないので0.1から1200ぐらいまで
> 数値を大きくしたが目標の回転スピードにはならない(回転速度上がらず)
>
> 以上が状況です。
>
> ちなみ、「PWM型三相DCブラシレスモータ制御IC(NJM2626)」(新日本無線)ドライバにて
> ソフトなしでモータのみ単純駆動をしたところ、目標スピードで
> 回る事が確認できました。
>
> 「yp-spur」と上記IC(制御IC)との単純な動作の違いが有り
> ・モータ無通電時は双方とも手で軽く回る(ギア抵抗分の重さ?)が
> 通電により制御ICは正転方向(スイッチにより指定)に軽く回り、逆方向に重い
> 状態となるが、yp-spurは両方向とも重くなる(フリーモード時も同様)
>
> この違いは、yp-spurで回転速度が上がらない事と関連するとは思えませんが
> 報告しておきます。
>
> 以上、宜しくお願いします。
>
>
>

References