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icart-mini-devel@t-frog.com

Re: 緊急停止スイッチについて

Date:
Thu, 11 Jun 2015 21:52:03 +0900
From:
Shigeru Bando <
sh dot bando at mail1 dot accsnet dot ne dot jp
>
To:
icart-mini-devel at t-frog dot com
Subject:
[00016] Re: 緊急停止スイッチについて
帝京大学 山根さま,

お世話になります,
i-cart mini設計担当の阪東です.
返信が遅れて申し訳ありませんでした.

緊急停止について,簡単には下記の2つの方法がございます.
1)モータドライバのモータ駆動電源のみスイッチで遮断する方法
2)モータの端子間を短絡させてブレーキをかける方法

ハードウェア的に動力を完全に遮断したい場合は,
2)の方法をおすすめいたします.
各方法の詳細は下記の通りとなっております.

よろしくお願いいたします.


■各方法の詳細■
1)モータドライバのモータ駆動電源のみスイッチで遮断する方法
モータドライバにモータ駆動用として供給されている電源ラインのみをスイッチ
で遮断し,停止させる方法です.
具体的には,2段めの基板上のCON13に接続されている2本のケーブルを緊急停止
スイッチが押された際に遮断します.
次の方法に比べてこちらの方がシンプルな方法だと思います.

モータドライバのロジック駆動用電源5Vが供給されていれば,
モータの逆起電力によって発生する電圧が8V未満になるまで,
回路上でモータの端子間がショート状態となり減速します.
(8V以下になると端子間はオープンになります.)
*注意点*
ロジック電源5Vは切らないで下さい.
ロジック電源が確実に供給されて入れば,回路の損傷は起こらないと思います.

運用実績について,私は直接確認できておりませんが,
昨年度のつくばチャレンジ参加チームの中で,いくつか採用されていた用に思わ
れます.


2)モータの端子間を短絡させてブレーキをかける方法
モータの端子をモータドライバの出力端子から切り離し,モータの端子間を短絡
させて減速を行う方法です.
具体的には,1つのモータから出る3本の端子を,緊急停止スイッチが押された際
にモータドライバの端子から切り離し,3本の端子を短絡させます.
*注意点*
モータの端子を短絡させる際には,モータ内部の導線類を回生エネルギーから保
護するために端子間にセメント抵抗などを挿入し,
回生エネルギーを熱に変換してモータ外部で消費することをおすすめします.

昨年の筑波大学知能ロボット研究室のロボットでは,こちらの方法を採用し,
実際に運用しておりました.
簡単な回路の構成につきましては,下記URLをご参照下さい.
http://www.roboken.iit.tsukuba.ac.jp/~sh_bando/i-cart-mini/emergency-stop-switch.png
上記のページの例では,簡単化のため単純なスイッチで構築いたしましたが,実
際にはリレーを使用して一斉に切替えを行っておりました.
実際に使用していた回路図が現在手元に無いため,
詳細につきましてしばらくお待ちください.




On 2015年06月07日 01:05, Ken Yamane wrote:
> 皆さま
>
> お世話になっております,帝京大学の山根と申します.
>
> 早速ですが,緊急停止スイッチについて質問させて頂きます.
> スイッチによって単純にモータへの電源供給を止めるのではなく,モータ
> ドライバの保護のためにブレーキをかける回路が必要であるとお伺いしま
> した.
> 具体的にi-Cart miniで運用されている例など教えて頂けませんでしょうか.
>
>
> --------------------
> 山根 健
>


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阪東 茂 (BANDO, Shigeru)
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References