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tf-2md3-devel@t-frog.com

Re: 「ブラシレスギアードモータ」駆動方法について

Date:
Wed, 29 Oct 2014 18:09:10 +0900
From:
Atsushi Watanabe <
atsushi dot w at ieee dot org
>
To:
tf-2md3-devel <
tf-2md3-devel at t-frog dot com
>
Subject:
[00057] Re: 「ブラシレスギアードモータ」駆動方法について
進藤様

渡辺と申します。

セキュリティの都合、メーリングリストにファイルを添付できないように
なっているため、お手数ですがパラメータファイルを本文に貼り付けて
お送り頂けますでしょうか。

また、モータの電気的な相数・極数、エンコーダの分解能をお教え下さい。
差し支えなければ、モータの型番やデータシートのURL等をお教え頂ければ、
パラメータファイルと照らし合わせて確認致します。

現状での動作のご説明を見る限り、制御が正しくできていないようですので、
モータの基本的なパラメータや、エンコーダの位相とモータ回転の方向が
異なっている等の、根本的な原因があるかもしれません。


> トルクが大きいためモータを手で回そうにもまったく回らない
> などのため、パラメータの正しい設定値及び簿設定順位が不明な
> 状態にあります。

摩擦が非常に大きくてバックドライブが全くできないようなモータについては、
これまでに扱っていないため、どのような設定方法が適切か分かりません。
(モータの特性やロボットの構成などは千差万別なため、
統一的な手順は用意できません。)
実測でモータの特性のパラメータを合わせ込むことが難しいため、
できるだけモータのカタログ値で設定して頂くのがよいと思います。


> (1)モータ駆動のみのパラメータ項目及び設定方法
> (2)タイヤをつけた状態でのパラメータ項目及び設定方法
> (3)無負荷(荷物、坂道などのない)状態でのパラメータ項目及び設定方法
> (4)負荷状態でのパラメータ項目及び設定方法

この制御系は、ロボットの質量や慣性モーメント等を計算に入れて、
モータの駆動を行っています。
そのため、(1)から(3)にあたるパラメータ項目が、全てモータ駆動に関わっています。
(4)については、摩擦と質量・慣性モーメントのパラメータを、
実際の値に合わせて設定することになります。


パラメータ設定については、以下の手順でお試し頂けますか。

(以下、タイヤを浮かせた状態で)
1. カタログ値から事前に与えるパラメータの設定
1.1 ロボット工学セミナーの資料(下記URL)の3ページから6ページまでのうち、
TORQUE_NEWTON、TORQUE_VISCOSを除く全てを、カタログ値、計算値で設定
https://openspur.org/redmine/attachments/download/2/Spur_Parameters.pdf

※上記資料は主にDCモータ用の説明のため、ブラシレスモータの場合については、
モータドライバのマニュアル、「5.1 ブラシレスモータ用のロボットパラメータ作成」
の項をご参照下さい。

2. 摩擦補償パラメータの調整
2.1 ypspur-coordinator を立ち上げた状態で、ypspur-free コマンドを実行
(摩擦補償のみを行うモードに入ります。)
2.2 TORQUE_NEWTON(クーロン摩擦力項)を少しずつ大きくしながらタイヤを手で回転させて、軽く回転するように調整
2.3 同様にTORQUE_VISCOS(粘性摩擦項)を少しずつ大きくして調整

※バックドライブが全くできず、手でタイヤを回そうとしたときに、エンコーダのパルスが1つも発生しないモータではこの方法は困難です。
その場合には新しい方法を考える必要があります。

3. PI制御ゲインの調整
3.1 ypspur-coordinator を立ち上げてサーボがかかっている状態にする
3.2 作成したプログラム等で、適当な走行指令を出す
3.3 GAIN_KIを0にし、GAIN_KPを発振しない範囲で大きくする
3.4 GAIN_KIを発振しない範囲で大きくする


以上、よろしくお願いいたします。

// Atsushi WATANABE
// Ph.D. Researcher
// E-mail:
atsushi dot w at ieee dot org
/
atsushi dot w at atr dot jp



2014年10月27日 17:34 "進藤@三矢" <
shindo at mitsuya-lab dot co dot jp
>:
> 三矢研究所の進藤と申します。
>
> この度、「TF-2MD3-R6A」を使用し以下仕様の
> 「ブラシレスギアードモータ」2個(左右)を
> 「yp-spurのWiki」及び
> 「第84回ロボット光学セミナー」資料
> を参考にドライブを試みておりますが、全く思ったような動作が得られません
>
> 【モータの仕様】
> ・ギヤードブラシレスモーター
> ・駆動電源電圧24V
> ・無負荷回転数/無負荷電流値:105rpm程度/0.5A以下
> ・連続駆動トルク:2.7 N・m以下
> ・最大トルク:6.0 N・m
> ・15:1(減速比15)
>
> 【主なパラメータの値】
> 下記添付ファイル
>
> 【アプリケーション環境】
> H/W:「RaspberryPi」
> OS:RaspBian
> ファームバージョン:HPの開発中の最新版(2014/06/26)
>
> 【現動作状態】
> ・モータのみ駆動させる環境(無負荷状態)
> ①Spur_line_FSコマンドにて両輪の駆動はしている
> ②Spur_set_valにて速度を0.01m/sずつ速度を上げて
> いるつもりが、速度変わらず
> (10rpm程度から下がりもしないし上がりもしない)
>
> 【要望】
> トルクが大きいためモータを手で回そうにもまったく回らない
> などのため、パラメータの正しい設定値及び簿設定順位が不明な
> 状態にあります。
>
> つきましては、下記の順序などで設定方法を教えてください。
> ①モータ駆動のみのパラメータ項目及び設定方法
> ②タイヤをつけた状態でのパラメータ項目及び設定方法
> ③無負荷(荷物、坂道などのない)状態でのパラメータ項目及び設定方法
> ④負荷状態でのパラメータ項目及び設定方法
>
> 以上。
> また、情報が不足しているようでしたら、その不足している内容
> も教えてください。
> よろしくおねがいします。
>

References